東京海洋大学が新たな海洋開発人材育成の取り組みを実現していくために、先代の汐路丸と青鷹丸が担ってきた船舶職員養成及び海洋環境教育の機能を統合し、さらに海洋開発分野の教育機能と災害支援機能も付加した汐路丸Ⅳ世を建造し、令和3年10月14日より本学での運航を開始いたしました。新しい汐路丸は、前述した両船の機能に加え、最新の海洋環境観測設備を装備しています。
- 総トン数 :775トン
- 長さ(全長) :60.73m
- 幅(型、登録) :11.10m
- 深さ(型、登録):6.50m(船楼甲板)
- 航行速力 :12ノット
- 定員 :70名
主要観測機器配置図 ARRANGEMENT OF MAJOR SURVEY EQUIPMENT

本船の機能?特徴
本船は、海洋科学技術の高度な教育、船員候補生や海洋資源専門家のための訓練、および、海洋生物学や海洋学の研究活動などに対応可能なように設計されている、最新の練習船です。
建造記録
1.監督室での打ち合わせ
造船所内の監督室で打ち合わせ。船主(東京海洋大学)側である建造委員の教員と、造船所エンジニアとの細やかなコミュニケーションの積み重ねが良い船を建造する最大の鍵なのです。
2.ブロック検査
新汐路丸の船首に近い2つの二重底ブロックの検査を行いました。鉄板で覆われた迷路のような空間を四つん這いになって進み、溶接個所を丁寧にチェックします。
3.スターンスラスタの検査
スターンスラスタは船体を横方向に移動させるための特殊なプロペラです。岡山にあるプロペラメーカー(ナカシマプロペラ)でその動作試験が行われました。
4.バルバスバウのブロック建造
バルバスバウ(船の一番先端の部分)のブロックが建造が着々と進んでいます。分厚い鉄板が美しい局面に加工され、つなぎ合わされていきます。船が進む時に一番大きな圧力が加わる大切なブロックです。
5.メインプロペラ
新汐路丸のメインプロペラがついに登場。4翼の可変ピッチプロペラです。4枚の翼の角度を変えることで(詳しく知りたい方はスターンスラスタのページをご覧ください)、プロペラの回転方向を反転させなくても前進?後進がスムースに切り替えられる便利なプロペラです。